AI生成モデルが「そのまま印刷できない」3つの理由
- 単位が不定:多くの生成AIは最大辺を「1.0」に正規化して出力するため、スライサーに持ち込むと 1mm 扱いになる
- 非水密:今回の 2 体も生成直後は水密ではなかった。穴のあるメッシュは印刷やブーリアン加工で失敗する
- 面数が多い:ロボットは 312,584 面、ロケットは 464,072 面。CAD やスライサーによっては開くだけで重い
PartSmith はこの 3 つを入口で受け止めます。以下、実際の操作と処理結果です。
① 読み込むだけで水密化、単位ミスはバナーが教えてくれる
STL/OBJ をドラッグ&ドロップ
読み込み時に穴埋め・法線修正が自動で走ります。非水密だった 46 万面のロケットも、読み込み完了時点で診断は「水密 ✅・オープンエッジ 0」でした。
単位ミス警告を確認
最大寸法が極端(2mm 未満・2m 超)だと「⚠ このモデルの最大寸法は 1mm しかありません。単位ミス(m → mm)の可能性があります」とバナーが出ます。AI 生成にありがちな「1.0 正規化」もここで気づけます。
スケールで実寸へ
🛠 修復・変形 → 📐 スケール。今回は「最大寸法(mm)で指定」に 100 を入れて実行し、1mm → 100mm(71×100×72mm)になりました。プラモに合わせるなら「1/144(HGガンプラ等)」のスケール名指定も使えます。
② プリンタに収める:上下に分割してダボを付ける
✂️ 分割タブで軸を選ぶ
今回は上下に分けたいので「Y軸」を選択。軸を選ぶと断面積グラフ(くびれの目安)が自動で読み込まれます。読み込み前に実行するとその旨の案内が出るので、グラフが出てから次へ。
カット位置をスライダーで決める
グラフの赤線がカット位置。今回は中央(腰のあたり)で分割しました。
ダボ設定はそのままでOK
「分割面にダボ(位置合わせピン)を自動追加」が既定でON。太さ・長さは部位のサイズに合わせて自動調整されます。
✂️ 分割実行
312,788 面のフル解像度のまま実行して、上半身 121,850 面/下半身 101,706 面に分割。どちらも水密 ✅ のまま、ダボは 1 ペア・計 4 本が自動配置されました。
③ 3mm 軸穴をクリックひとつで開ける(スタンド・真鍮線・ポリキャップ)
🧩 パーツ作成 → 「🕳 かんたん軸穴(分割不要)」
分割していない 1 パーツのままで使えます。径は「3.0mm — プラモ標準軸」「1.0mm — 真鍮線(軸打ち)」などのプリセットから選択。
公差と深さを選ぶ
公差は +0.1mm(標準)が既定。きつければ +0.2mm に。深さは今回 8mm にしました。
配置モードON → モデルをクリック
クリックした面に垂直に穴が開きます。続けてクリックすれば複数箇所に開けられます。飾り台の軸受けやガンプラの 3mm ジョイント対応が一瞬で終わります。
④ レジンを節約する:壁厚 2mm で中空化
🛠 修復・変形 → 🥚 中空化
壁厚 2.0mm、くり抜きの精密さは既定の 0.6mm のまま実行。
結果を確認
ロケット内部に 114,934 面の内殻が生成され、下面には排出穴が自動で付きました。水密 ✅ のままなので、そのままレジン印刷に回せます。
⑤ CAD で使いたい場合:STEP 変換
📤 出力タブの「⚙️ STEP に変換する」で、Fusion 360 などで開ける STEP(AP242) に変換できます。使いみち(👁 見た目重視/⚙️ 組立・可動/🔬 強度解析)を選ぶだけで、まずブラウザ内で生成し、難しい場合は自動でサーバー変換に切り替わります。面が三角形のままで編集しにくいときは「軽量ソリッド化」をオンにすると、平面・円筒が CAD で選択できる面にまとまります。
今回のテストで実際に踏んだ「つまずき」と回避策
- ブラウザ軽量化(312,584 → 15,000 面)の直後に軸穴を開けようとしたら boolean 失敗(非水密)——軽量化は表示・転送を軽くする用途で、水密性が崩れることがあります。穴あけ・分割などの加工は、読み込み直後の水密なモデルに対して行うのが確実でした(フル解像度でも実用速度です)
- 軸選択の直後に分割実行を押すと「まず断面積プロファイルを読み込んでください」——グラフが表示されてから実行
- AI 生成モデルの寸法は必ず疑う——今回は 2 体とも最大辺がちょうど 1.0 でした。読み込み時のバナーと「メッシュ情報」の寸法表示を確認
まとめ:AI 生成 → 印刷準備はブラウザだけで一本道
text-to-3D で「作る」のは一瞬でも、「印刷できる形にする」には単位・水密・分割・接合の面倒が待っています。今回の 2 体はどちらも、PartSmith 上の操作だけで印刷準備まで到達しました。Tripo などで作ったモデルが手元にあれば、まず 1 体投げ込んでみてください。
登録もインストールも不要。STL / OBJ をドロップするだけで 3D プレビューが立ち上がります。
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